11月4日マインドロックライブ2024直前!
本年のグランプリ、シゲオリアン流星群のリーダーのシゲオリアンさんにインタビューしました。
Q1. 音楽をやめた時期があるそうですが。
シゲオリアン:
はい、そうですね。高校を卒業する頃には、ロックスターになると決意していたので、進学も就職もせず迷いなく音楽の道に進みました。中途半端にやるなんて、当時は選択肢にすらありませんでした。でも現実は甘くなく、苦労していた時期にバイト仲間だったミュージシャンから電話がかかってきて、デビューが決まったということを聞きました。それも、誰もが知っているアニメのオープニングになるという本当に華々しいデビュー。彼が成功する姿を見て、喜びと同時に悔しさも感じましたが、デビューシングルが発売される日にわざわざ新星堂にCDを買いに行き、袋に彼のジャケット写真が印刷されているのを見て圧倒されました。彼とは年齢も誕生日も血液型も同じということもあり、まるで自分のことのように感じ、そのデビューの華やかさに驚きながら、気づいたら彼のファンにすらなっていました。当時、彼のバンドに自分が入るかもしれないという話もあったので、もし一緒にデビューできていたら…と考えると、複雑な気持ちになりましたね。本気でスーパースターになるつもりだったのに、いつの間にか誰かを応援している自分がいる…自信が揺らいでしまったのかもしれません。
作曲の技術には自信がありましたが、結局、チャンスや巡り合わせも必要なのだと痛感しました。音楽から離れていた10年間は、一切ギターにも触れることはなく、おそらくできなかったこと、成しえなかったことへの思いがあったのだと思います。バンドをやっている人を見ると、「どうすんだよ、食っていけるわけないだろう」と少し斜に構えてしまっていましたから。
Q2. 音楽から一度離れた後、再び音楽に向き合うきっかけとなった出来事は何でしたか?
シゲオリアン:
高校時代に一緒にコピーバンドをやっていたベーシストの結婚披露パーティーで、久々に演奏する機会がありました。彼とは20代の頃までオリジナルバンドをやっていたので、「当時の曲を演奏してほしい」と頼まれ、せっかくの機会だからと久しぶりにギターを手に取り当時の曲を練習しました。披露宴当日、プロのジャズベーシストとなった彼の交友関係から、つのだ☆ひろさんもいらっしゃっていて、会場から大きな拍手をもらった時に、「音楽っていいな」と久々に心から感じました。
ちょうどその頃、子どもの頃に好きだったCCBのベーシスト・渡辺英樹さんがまだバンド活動をしていることを知り、ライブを観に行きました。小さなライブハウスで、満員というわけではありませんでしたが、好きな音楽を純粋に続けている姿に感銘を受けました。大スターが小さな会場で演奏している姿に心を打たれて、「好きでやればいいんだ」と気づかされ、また音楽をやってみようと思えたんです。音楽で食べていくことにこだわらなくてもいい、売れることと好きな音楽を続けることは必ずしもイコールではないんだと実感しました。今40代ですが、40代や50代でも売れっ子が出てきてもおかしくない時代ですし、気持ちは10代の頃と変わりません。諦めるつもりもなく「やってやるぞ」という覚悟は今も変わっていません。
Q3. 音楽を再開し、今のバンド結成までの道のりを聞かせてください。
シゲオリアン:
音楽活動を再開した時は、音楽をやっている知り合いがほとんどいない、まさにゼロからのスタートでした。最初は弾き語りから始めて、サポートメンバーを入れてバンド形式で演奏しましたが、何か違った。お金を払えば優秀なプレイヤーはいるかもしれませんが、そうじゃなくて、心から演奏したいと思ってくれるメンバーを集めたい。僕は、曲に惚れ込んで、「この曲を演奏したい」と本気で思ってくれるメンバーとやりたいんです。それが本当のバンドだと思っています。加えて、バンドメンバーには、僕ができないことをやって欲しいですね。例えば、今のベーシストいおっちはフュージョンから入っているので、自分にはないエッセンスを取り入れてくれます。キーボードよっしー、ドラムの淳もみんな自分が聴いてこなかった音楽を持っている人たちです。だから、それを融合させたい。ひとりのアイデアだけではなく、新しい化学反応にワクワクしています。
Q4. マインドロックアワードにグランプリになった心境は?
シゲオリアン:
最終審査の演奏時間10分の中で、「俺しかいない」と自分を信じる力を強く感じていたので手応えはありました。マインドロックアワードの根本にある「ロックは音楽のジャンルではなく生き様だ」という考えは、僕の考え方にもリンクしています。ロックは音楽性やファッションではなく、その生き様にあると思っています。歌謡曲やポップな音楽でも、その中身が本物であればロックだと思っています。そして音楽は生涯成長し続け、永遠に続くもので、今のメンバーと共にやれていることが、僕の音楽人生の中でも最高のバンドだと信じています。アーティストは最新が最高であるべきで「あの時の方が良かった」という言葉は許されない。今が最高であり、その信念を持ってグランプリを獲れたことが嬉しかったです。僕の人生の中で、優勝やグランプリを取ったことは一度もなかったので、今回目に見える形で評価していただけたことに喜びを感じています。
Q5. 曲作りについて聞かせください。
シゲオリアン:
最終審査で演奏した「俺をシビれさせろ」という曲は、まさにそのタイトルの通り、もっと俺を引きつけるようなものを見せてほしいというメッセージが込められています。嘘くさいやつが多すぎると感じることがあって、音楽だけに限らず、そういった俺をシビれるものをもっと見たいし、自分もそうでありたいという思いがあります。実際に曲を聞いていただきたいです。曲作りは、オリジナリティを追求することが大切だと思っていて、憧れたバンドがいるのはいいことですが、それをただ真似しているだけでは響かない。いかにリスナーの心に入り込み、共感を得られるかが鍵だと思っています。薄っぺらいラブソングではなく、もっと深い部分を狙った歌詞を作っています。好いた惚れたというテーマはもちろん大事ですが、それだけではなく、より深い感情やメッセージを伝えられるように心がけています。
Q6. あなたにとってマインドロックとは?
シゲオリアン:
40代や50代になると、いろんなことを諦めがちになる年齢だと思いますが、不屈の精神が大事です。基本的に僕は性格が捻くれていて、世の中に対して常に斜に構えています。僕は人と同じことをやってもしょうがないという思いが根底にあります。「ロックとは何か?」という問いに対して、オリジナリティを追求することがひとつの答えです。他の誰かの真似ではなく、自分自身の音楽を追求することがロックの形だと思っています。また、チャレンジ精神も重要です。音楽に限らず、どんな分野でもチャレンジする姿勢がロックだと感じています。
Q7. 11月4日のマインドロックライブに向けた意気込みや、横須賀への思いについて聞かせください。
シゲオリアン:
11月4日のマインドロックライブでは、「なんで、こいつらがグランプリなんだ」と思われないようなものを見せる自信があります。ライブを見てもらえば、その理由がわかると思います。これから横須賀での活動を増やし、横須賀をより深く知り、市長が「ロックでムーヴメントを起こして盛り上げたい」とおっしゃっていることに対して、僕も積極的に関わっていきたいと思っています。グランプリをいただいて、横須賀ロックンロール大使に就任させていただいたので、横須賀市民の皆さまに愛されるような曲を作りたいと考えています。この地で育まれた音楽が、地域を盛り上げる一助になればいいなと心から願っています。
MIND ROCK LIVE 2024
11月4日に開催される「MIND ROCK LIVE 2024」では、シゲオリアン流星群をはじめ、昨年の優勝者「toriwo」、地元横須賀の「Dobuita Travelin’ Band」も出演。そしてスペシャルゲストとして、伝説のギタリスト竹田和夫(Flash Kaz & The Comets)、さらに内田裕也&トルーマン・カポーティ・ロックンロールバンドの三原康可も登場します。
本物のロックを体感できる熱いステージをお見逃しなく。『ロックは音楽のジャンルではなく、生き様だ』──マインドロックで熱くなれ!
日 程:2024 年11 月4 日(月・振休) 開場 14 時30 分 / 開演 15 時00 分(予定)
場 所:ヨコスカベイサイドポケット
出 演:
シゲオリアン流星群(MIND ROCK AWARD 2024 グランプリ)
toriwo(MIND ROCK AWARD 2023 グランプリ)
Dobuita Travelin’Band
竹田和夫(Flash KAZ & THE COMETS) feat. 三原康可(内田裕也&Truman Capote R&R BAND)
料 金:無料
※全席自由 / 事前申込不要